大田区のHPにて「(仮称)大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業条例案」へのパブリックコメントに提出された意見及び区の考え方についてが公表されています。
大田区区民意見公募手続き(パブリックコメント)

問題点も多く指摘されていますが、経済波及効果は計り知れないと思います。今までにない産業が生まれる訳で、民泊関連の新たなビジネスも生まれています。
では、どのような運用にすれば『民泊』が国民に受け入れられ、成功となるのかを考えてみました。
これは、元ホテルマンとしての経験と知識、海外生活、そして許認可を専門に扱う行政書士としての経験を総合して検討します。残念ながら、行政書士としての経験が一番短いため、どこまで行政手続きに関して指摘できるか分かりませんが検討したいと思います。

問題点として挙げられるものとして、
1. 安心・安全面
安心・安全面は、宿泊者と宿の提供者の双方に存在します。

近隣トラブル、不法滞在者等の滞在宿にならないか、犯罪グループの温床にならないか。
滞在先で調理をして火事になった、食中毒を起こした。 建物を損傷させた、備品が盗まれた。 このような場合、この部屋の滞在者にも問題が生じますが、次に予約していた滞在者も泊まれなくなります。 急に滞在先を無くした予約者への保証はどうなるでしょうか?

ホテルに勤務していた時に、外国人団体客が予約日を間違い1日早く到着したことが有りました。
幸い、空いている部屋にお泊りいただくことはできましたが、翌日Roomチェンジが発生し、一度ほどいた荷物をまたスーツケースに戻して部屋を移動をしていただきました。
旅行会社のミスであったため宿泊客に責任はなくご立腹の方も。このようなトラブルは、ほぼ現場対応です。
全ての人が、決められた規則を守る訳ではありませんし、間違いや勘違いもあります。

2. ホスト側の責務

安心、安全に配慮した民泊運営をするのは当然ですが、サラリーマンの立場で民泊事業を開始する場合、その立場は『個人事業主』となります。
個人事業主として事業を開始するには、『個人事業の開始・廃業等届出書』を税務署に届け出ます。一定以上の収益が上がってくると確定申告の義務が発生します。
この届出を出さないからといって納税義務が免除される訳ではありません。申告義務を怠ると後に追徴課税等が発生する恐れがあります。
宿泊税の徴収問題もあります。宿泊税は東京都宿泊税条例に定めがある『都税』です。

では、どのような運用にすれば、民泊事業が成功と言えるのでしょうか?
何をもって成功、失敗とするかの基準は不明ですが、
①宿の提供者は、本事業を利用しやすく
②宿泊客は、満足のいく内容(日本のおもてなしを受けられる)
③トラブルが最小限に食い止められ
④経済効果によって景気が上がる。
と想定します。
許認可を取り扱う行政書士としての見解は次回。